職場体験「みんなのアイデアを形にしよう!中学生の職場体験でのIoT実習」

国立大学法人 東北大学 マイクロシステム融合研究開発センターが中学生を対象に実施した職場体験において、MESHを用いたIoT実習を実施。実習を主導された八重樫先生、森山先生に、実施背景や実習内容について伺いました。
森山先生(写真左)、八重樫先生(写真右)
森山先生(写真左)、八重樫先生(写真右)
 
  • 学校名:国立大学法人 東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター
  • ご担当:八重樫 光志朗先生、森山 雅昭先生
  • 学生数:中学校6校より各3名参加、合計18名(仙台市立岩切中学校、桜丘中学校、第一中学校、台原中学校、東華中学校、錦ケ丘中学校)
  • 実施時間: 300分×3回 ※各回2校が参加
  • 使用機材:MESHアドバンスセット×10セット・iPad(デモ機)・東北大学作製のフォースセンサ、市販の超音波距離センサ

本実習でMESHを採用した背景は?

弊所は半導体やMEMSを用いたセンサの研究開発を行う大学や民間企業の研究者へ「試作コインランドリ」と名付けた、試作開発の支援と作業場の提供を行っています。中学生の職業体験にあたり、生活の中でのセンサの役割や活用例を学べるようテーマを選定しました。プログラムの中で実際にIoTを学べる機会を設けたかったため、MESHを採用しました。

この授業のねらい、目標は?

MESHでIoTモジュールを組み立てながら、新しいモノを生み出す思考プロセス、試行錯誤、創意工夫を経験してもらうことです。

MESHはどのように活用しましたか?

「自動運転」「自動通知」のカテゴリ内でアイデア出しを行い、MESHで組み立て可能なアイデアを選び具体化する作業に活用しました。

実習の流れ

3日間の職場体験活動実習
・1日目:クリーンルーム内での半導体加工ライン見学と作業体験
・2日目:クリーンルーム内での半導体加工作業体験
・3日目:MESHを使用したIoT実習

⏰3日目のタイムテーブル

時間内容
9:30~9:40集合 MESHを使用したIoT実習の流れの説明
9:40~10:30半導体微細加工の実例紹介 MEMSフォースセンサ(東北大学で作製したもの)、超音波 距離センサ(市販品)の実演を通してセンサの作製過程と データ取得、可視化までを体験する
10:30~11:00MESHの説明とサンプルプログラムの組み上げ練習 自動運転・自動通知のサンプルプログラムを用意、使い方を説明しながら、各自サンプルプログラムを組み立てる
11:00~12:00自動化したいアイデアのブレインストーミング 用意したアイデアシートに「自動運転」「自動通知」ができたら 簡単・便利になるしくみ・アイデアを「学校内」「自宅内」別に 書き出す
13:00~13:15自動化アイデアの発表 生徒一人2分程度で、考えたアイデアの発表
13:15~14:30アイデアの具体化 発表されたアイデアからMESHで解決可能なものを選び、 組み立てを行う

どんなことを工夫しましたか?

今回は「自動運転」「自動通知」のカテゴリに絞りました。発表されたアイデアに対して、既に実現されているか、実現するためには何が必要かをアドバイスして、アイデアの出しっぱなしにならないように促しました。

学生が開発した作品

発案されたアイデア(一部) ・自動でカーテンを開ける装置(GPIOブロック+明るさブロック) ・自動で布団をはぎ取る装置(GPIOブロック+タイマー) ・帰宅を通知する装置(人感ブロック+メール送信、ボタンブロック+メール送信)

MESHを利用したことで、これまでの授業と変わったと感じたことがあれば教えてください。

これまで、職場体験で加工した製品の持ち帰りはあったものの、自分で考え、トライ&エラーを繰り返すような、主体的な活動がありませんでした。MESHの組み立てを通して、一つの物を完成させるという体験と、完成までのプロセスを体験できたのは大変意義のあるものでした。