中学校 技術(情報分野)「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」
学内のプログラミング教育でMESHを使用した授業を実践されている成立学園中学校。
情報教育を学ぶ授業を進める中、夏休みに開催されたMESHを使った「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするしかけコンテスト」を知り、応募いただきました。
中学校3年生の技術(情報分野)「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」の授業にて、コンテスト作品の制作を実践された田島先生に、授業実施の背景や実践内容を伺いました。
学校名 :成立学園中学校
ご担当先生 :田島 祐一 教諭
生徒数 :19名および22名の2クラス( 2人1グループ学習)
実施時間 : 本時50分×10回
今回の授業を実施した背景は?授業テーマはどのように決めましたか?本授業のねらい、目標はなんでしょうか?MESHを授業に採用した理由やきっかけは?また授業でどのように活用されましたか?授業の概要授業の目標/生徒の理解度合使用機材/素材学習指導計画1時間目2時間目3時間目4時間目5~8時間目9時間目10時間目生徒が開発した作品作品名: 温度で動くカラフル扇風機作品名: Secret作品名:ポケモン釣りゲームその他の作品生徒たちの感想今回授業でMESHを使用した感想
今回の授業を実施した背景は?
IoTやAIといった最先端の技術に触れさせたいと考えたときに、AIは高度なプログラミング能力の下地が必要ですが、IoT機器の作成はMESHを使えば簡単に実現をすることが出来ます。まだ見ぬIoT機器を発明するにあたって中学生の柔軟な発想はMESHを用いた物づくりと相性が良いと考えました。
また、中学1年から学んできたプログラミング知識を総動員して、MESHを使った「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするしかけコンテスト」の応募作品を制作するという事はモチベーションアップの観点からも魅力的だと考えました。
授業テーマはどのように決めましたか?
MESHブロックの基本的な使い方は既にマスターしていたので、1ランク上の作品づくりを出来るようGPIOブロックと電子工作をからめた実習を行い、その知識をプログラミングコンテストの作品へと昇華させて欲しいと思い設定しました。
本授業のねらい、目標はなんでしょうか?
プログラミングによってモーターを回したりLEDを付けたり、電子工作の回路とプログラミングを関連付けることで、理科で習得した電気回路からさらに1ステップ進んだ工学的技術の面白さを知ってもらいたいと思いました。
また、コンテストの応募というゴールを設けることで自分の学んできた知識や技術を
総動員してモノづくりを行うという目標が出来ました。
MESHを授業に採用した理由やきっかけは?また授業でどのように活用されましたか?
ラズベリーパイやArduinoといったキットを使って同じようなことが出来ることは知っていましたが、より手軽にIoT機器を作れるMESHを使うことで、アイディアを形にする作業に専念できるようになったと感じます。
今はまだ中学技術の授業でのみ使用していますが、高校生の情報Ⅱや中学の理科など他教科でも利用を広げていきたいと考えています。
授業の概要
授業の目標/生徒の理解度合
授業目標
動き・人感など今まで使用してきたMESHブロックに加え、GPIOブロックと電子回路を学び、それらを組み合わせたIoT機器を作成する。また、CurioStepサマーチャレンジ2021に応募するための作品を作成する。
生徒の理解度合
生徒たちは既に中学2年生でMESHアドバンスセット(GPIOブロック以外)と紙コップやストロー等の工作道具を組み合わせた様々なIoT機器作りを体験している。また電子工作は初めての経験という者が多数である。
使用機材/素材
- MESH以外
- スイッチサイエンス社「MESHひらめきラボセット」
- 100円均一の雑貨(ストロー 紙コップ 段ボール等)
- 工作をするための文房具
学習指導計画
1時間目
- IoTとは(復習)
- MESHブロックの機能確認(復習)
- GPIOブロックの説明
- GPIOブロックとモーターの動作確認
- 簡易バイブレーションの作成
2時間目
- デジタル出力とアナログ出力の確認
- GPIOブロック+モーターを使った自由制作
3時間目
- 通電を検出させよう:電流イライラ棒の作成
- 双方向性について学ぼう:Gmail連携
4時間目
- CurioStep サマーチャレンジ2021「プログラミングでおうち時間をもっと楽しくするしかけコンテスト」の要綱説明
- グループ決め
- コンテスト応募作品の作成作業
5~8時間目
- コンテスト応募作品の作成作業
9時間目
- グループごとの発表
10時間目
- グループごとの発表
- 良かったと思う作品のクラス内投票、結果発表
- プログラミングコンテストエントリー作業
授業作成協力:(株)ロボネット・コミュニケーションズ 様
生徒が開発した作品
作品名: 温度で動くカラフル扇風機
スマホ一台で扇風機も温度も!温度30度以上で扇風機がつき、湿度75%以上で換気しましょうと報告。扇風機がついたら音楽が流れたり、LEDがつく。外出してるとき、部屋の温度が30度越えたら自動で扇風機が!
作品名: Secret
何が出てくるかわからない!ルーレット機能付き消しゴム自動販売機
作品名:ポケモン釣りゲーム
iPadと連動して遊べる玩具!条件を達成すると、称号が獲得できてメールに届く!
その他の作品
生徒たちの感想
- 友達と協力して1つの作品を作れたので楽しかった。
- 工作が面白かった。
- とても難しかったけど、班のみんなと協力して良いものを作ることが出来ました!
今回授業でMESHを使用した感想
MESHの使いやすさ、分かりやすさ、安定性というのは生徒たちが作成を進める上で、凄く重要だと思っています。GPIOを使った電子回路やIFTTTを使った拡張機能は高度で多様な作品を作るうえでありがたいものですが、学校の授業という限られた時間で指導する時には前述した要素がそろっていないと教材としては使いづらいためです。
MESHはそういった基本的な要素の完成度が高いため、生徒たちが安心して新しいことや高度なことに挑戦が出来る教材であるという事を再認識しました。
アイディアを簡単に形に出来たり、工作も含めた物づくりの面白さを知るという事は
『自分でやってみよう』、『試しにやってみよう』というクリエイティブな気持ちを生み出す大切な原体験になります。この授業を経験したことでプログラミングに対して苦手意識を持たず、『自分でやってみよう』『試しにやってみよう』という気持ちで今後も挑戦するようになってくれると考えています。