小学校 理科「発電と電気の利用~学校省エネ化計画~」

南アルプスや八ヶ岳などの美しい山岳を見渡せる地域にある北杜市立泉小学校。
広大な土地に建てられた学校では、フィールドワークなどの授業に加え、ICTを活用したプログラミング授業等が盛んに行われております。今回は、プログラミング教育授業として6年生の『電気の利用』の単元で、これまでの理科の学びを生かした課題解決型の『学校省エネ化計画』という授業を実践いただきましたので、ご紹介いたします。

MESHを使って学校をもっと省エネ化しよう!

電気はつくり出したり蓄えたりすることができること、光、音、運動などに変化することできることを児童は学んできた。
ここでは、電気をむだなく使うための工夫を考え、校内をさらに省エネ化するためにはどのような工夫ができるかをグループごとに提案できるようにする。
MESHにはさまざまなセンサーがあるため、児童のアイデアを具現化しやすい。校内という身近な場所の省エネ化について取り上げ、児童が考えた仮説をMESHで具現化することで、理科で学んだ知識を日常生活とつなげるようにしたい。
先生  :北杜市立泉小学校 三井先生
児童  :6年1組
単元  :「発電と電気の利用」
実施時間:45分×12回(本時は第11,12時限目)
 

本授業の実践ガイド・ワークシート(PDF)

以下のご利用条件を確認してからダウンロードしてください。

準備物

MESHブロック、タブレット端末
3~4名のグループごとにMESHブロックとタブレット端末を1セット用意。
ワークシートとコメントシート
学習のポイントをおさえるワークシートと、他グループのアイデアに対してコメントを書き込むコメントシートを用意。
MESHブロックカード
プログラミングの内容をグループで検討するためのカード。
学習アイコン
授業の流れを示すためのマグネット。
 
回路用の器具
MESH GPIO ブロック用FET ボード、乾電池、発光ダイオード(LED)、プロペラ、導線を用意。

授業の流れ(第11、12時)

事前. 省エネできそうな場所をあらかじめ選定しておく

プログラミングの時間を十分に確保するため、児童には校内で省エネ化できそうな場所をあらかじめ考えておくように伝える。その後、本時までにグループごとに省エネ化する場所を一つに選定しておく。事前に選定しておくことで、省エネ化する場所が決まらずにプログラミングに移れないという状況を避けることができ、本時で学習したい内容にスムーズに入ることができる。
 

1.これまでの学習内容を復習する

教師は、これまでに「電気をつくる」「電気をためる」などの学習してきたことを振り返らせ、つくって、ためた電気を効率よく使うために、どのような工夫ができるかに視点を向けさせる。また、電気を有効に使うことが環境保全につながることを伝え、本時の学習を価値づける。
 

2.学習目標と授業の流れを確認

本時のゴールを明確に示し、授業の流れについて確認する。
 

3.グループごとにプログラミングの内容を検討

省エネ化したい場所について、どのようなしくみで、どのようなプログラムを組むのかについてカードを使ったシミュレーションを通してグループ内で議論する。
 

4.グループごとにプログラムを組み、発表練習をする

省エネ化したい場所へ行き、プログラミングを行ってアイデアを試す。
試行錯誤するプロセスを大切にし、意図した動きとなるように調整をくり返す。どのように発表すれば自分たちのアイデアが伝わりやすくなるかを考えながら、発表練習をする。
 

5.省エネ化計画の発表会

省エネ化したい場所に全員で行き、アイデア発表会を行う。
聞き手は、コメントシートにアイデアに対するコメントや、「もっとこうしてみたら」という改善案を書き込みながら発表を聞くようにする。また、いくつかのグループは、最初にレシピのみを提示し、どのようなプログラミングを行ったのかを全員で読み取る活動を行ってから、アイデアの発表に移るようにする。
 

6.コメントシートの共有

コメントシートを自分の机上に置き、他者のコメントシートを自由に歩きながら見て回る(ギャラリーウォーク)。自分の班に対するコメントやさらなる改善案について知る機会とする。
 

7.学習の振り返り

本時の学習の振り返りを記述する。記述した振り返りを共有することで、他者の学びと自己の学びを比較する。授業の最後に省エネ化することのメリットを確認する。

レシピ例

教室照明の自動化

電気を消し忘れてしまうことがあるので、人感ブロックを設置して教室の照明を自動化する。
 

自動換気扇

湿度ブロックが設定に達したら、自動的に換気扇のスイッチのON/OFFが行われる。
 

節電お知らせ機

教室から出る人を数えて、電気の消し忘れがあればお知らせして照明を消してくれるしくみ。
 

加湿器自動省エネ

湿度に応じてLEDブロックの色が変わり、湿度が低くなると加湿器と仮定したモーターが動く。
 
本事例につきましては、『MESHではじめるプログラミング教育 実践DVDブック 小学校編』にて映像とテキストを詳しく紹介しています。是非ご活用ください。